「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)の閣議決定にあたって【談話:本部ニュースより】

【談話】「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)の閣議決定にあたって

                         立憲民主党 政務調査会長 長妻 昭

 政府は本日、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)を閣議決定した。
 「骨太の方針」は、元々政府の経済・財政政策に関する大方針を定めるものであるが故に「骨太」と言われてきたが、近年は「骨」よりも「ぜい肉」が目立つ内容となっている。

 そして、大前提となる経済認識にも問題がある。「物価上昇が賃金上昇を上回る中で、消費は力強さを欠いている」との認識はその通りだが、その要因である円安への対応策については、何ら言及がない。にもかかわらず、「今後は、・・・賃金上昇が物価上昇を上回っていくことが期待される」としているのは、あまりにも楽観的過ぎる。
 現下の円安は、内外金利差と国際収支の構造に原因がある。内外金利差については、引き続き、我々が提言している「新しい金融政策」に基づき、共同声明の見直しなど、政府・日銀が連携して金融政策の正常化に向けて取り組むことで、縮小を図るべきだ。
 また、海外のプラットフォーマーに対する支払いの増加に起因する「デジタル赤字」の拡大や、化石燃料の輸入による貿易赤字の常態化などは構造的な問題となっているが、これに取り組まなければ、長期的な円安傾向を変えることはできない。我々の経済政策「人からはじまる経済再生」で示しているように、デジタル分野への大胆投資と国産クラウドサービスの確立、省エネ・再エネへの大規模投資による自然エネルギー立国の実現などに取り組むことで、富の流出を防ぎ、国力を高め、円安を是正すべきだ。

 財政健全化については、「2025年度の国・地方を合わせたPB黒字化」と「債務残高対GDP比の安定的な引下げ」を目指すという従来の目標を維持するに留まった。しかし、日銀の金融政策変更により、「金利のある世界」が戻りつつある中にあって、利払い費を含まないPB目標に固執する姿勢は、合理性を欠くものと言わざるを得ない。
 現下の情勢を踏まえれば、財政健全化の指標はPBではなく、利払い費を含む財政収支を用いることなどを検討すべきだ。また、債務残高対GDP比についても、「安定的な引下げ」という定性的な目標ではなく、数値目標を掲げるなどして、持続可能な財政運営の実現に向けた真摯な姿勢を示すべきである。

 経済・財政政策は、国家の趨勢に関わる重大事である。その基本方針がこのような体たらくでは、岸田内閣にこの国の舵取りを任せることはできない。立憲民主党は、引き続き、自民党政権の経済・財政政策に代わる選択肢を国民に示していく。

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