2023(令和5)年度予算政府案の閣議決定にあたって【談話:長妻政調会長】
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【談話】2023(令和5)年度予算政府案の閣議決定にあたって
立憲民主党 政務調査会長 長妻 昭
政府は本日23日、2023(令和5)年度予算政府案を閣議決定した。
一般会計総額は114.4兆円に上り、11年連続で過去最大規模を更新した。今年度当初予算を約7兆円も上回っていることに加え、極めて異例なことに、概算要求時点から4兆円以上も増額されている。先般成立した第2次補正予算に来年度概算要求から前倒しで計上された予算が多分に含まれていることも踏まえれば、実態は概算要求額よりも相当膨れ上がっていることになり、完全に財政規律のタガが外れた状況と言わざるを得ない。
最大の焦点は、5年間で総額43兆円規模を確保するとした防衛費である。そもそもこの増額目標自体が数字ありきで合理性に欠ける。増額のやり方もその場しのぎで持続性を欠く。すなわち、本予算案では、今年度当初予算と比較して約25%増となる6.8兆円の防衛費を計上しており、財源には特別会計からの繰入金や国有財産の売却益を充てるとするが、いずれも過去の蓄積を吐き出すもので安定性を欠いている。他方、「防衛増税」の実施時期等の決定を先送りし、歳出削減の具体的方法を示さないことは、政府・与党の無責任さを象徴している。
また「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」と「ウクライナ情勢経済緊急対応予備費」を合わせて5兆円を計上しているが、予備費は国会の事前議決の例外であり、巨額の予備費計上は明らかに財政民主主義の趣旨に反している。2020(令和2)年度以降、こうした巨額の予備費計上が常態化しているが、その大半について最終的な使途が特定できない等、極めて異常な状態に陥っている。国会による財政の民主的統制を回復するためにも、一刻も早く予備費の正常化を図るべきだ。
税収は69.4兆円を見込むとのことだが、過去最大規模となった歳出とのギャップは大きく、その穴埋めのために35.6兆円の新規国債を発行するとしている。普通国債の発行残高は既に1,000兆円目前であり、財政赤字の更なる深刻化は看過し難い。また、今後金融政策が正常化されていく過程で金利が上昇した場合、巨額の国債発行は利払い費の急増に直結し、国家財政への影響は深刻なものになりかねない。このような無責任な財政運営は到底許容できるものではない。
立憲民主党は、来たる通常国会での予算審議にあたり、政府・与党の問題点をただしながら、国民本位の予算の実現を迫っていく。